私たちは沖縄で2つの宿泊施設を運営していますが、その日常運用のほとんどを、Beds24の上でほぼ自動で動かしています。自動化のカギは、大きく3つのリズムに分けて考えることです。(1)予約を取り込む「同期のリズム」、(2)ゲストとの「メッセージのリズム」、(3)値付けの「料金のリズム」。以下、それぞれ実際にどう組み立てているかを紹介します。
同期のリズム:1時間ごと+1日1回の総ざらい
予約の取り込みは、リアルタイムではなく1時間ごとに実行しています。直近(前日〜2週間先)の予約はこの毎時同期で拾い、遠い先の予約や長期の変更は、1日1回の「総ざらい」でまとめて取り込みます。
なぜリアルタイムにしないかというと、Beds24のレート制限(5分で100クレジット・直列実行)があるからです。処理を欲張らず、間隔をあけて確実に回すほうが、結果的に安定します。急ぎの反映が要る場面は限られるので、この粒度で十分に足ります。
メッセージのリズム:取り込み → 翻訳 → 仕分け
OTA予約のメッセージは、同期とは別のタイミングで取り込みます。取り込んだあとに、外国語のメッセージは自動で日本語にし、内容を「急ぎ・お礼」などに自動で仕分けます。こうしておくと、朝にまとめて見るときも、急ぎのものから対応できます。
定型的な連絡(予約後のお礼、チェックイン前の案内など)は、トリガーと日数のオフセットを決めて自動送信します。ただし前の記事で触れたとおり、OTAメッセージはURLが削られやすいので、booking.comでは自社ドメインを事前に許可し、Airbnbでは本文のリンクに加えてQRコードを添える、といった工夫をしています。
料金のリズム:下限を決めて、動的価格ツールに任せる
値付けは、動的価格ツール(PriceLabs)がBeds24へ価格を書き込み、Beds24が各OTAへ配信する、という流れで自動化しています。ここで私たちが大事にしているのは「下限価格(フロア)」です。どれだけ需要が弱くても、この金額より下では売らない、という線をあらかじめ決めておく。あとは週次のリズムで見直し、日々の細かな調整はツールに任せます。人が毎日レートを触らなくてよくなります。
通知:見逃さない仕組みをデータ側に持つ
新しい予約・変更・キャンセル・新着メッセージは、通知としてまとめて拾えるようにしています。私たちはBeds24のwebhookではなく、取り込んだデータの変化から通知を生成する方式を選びました。予約サイトごとにwebhookを登録して回る手間がなく、施設が増えても仕組みが変わらないからです。
なぜ、自分たちで道具を作ったか — pono WINDOW
Beds24は安くて何でもできる反面、日常運用の画面としては情報が多く、雑然としています。そこで私たちは、毎朝の運用に必要なものだけをひとつの画面にまとめた道具を、自分たちのために作りました。それが pono WINDOW です。Beds24を土台にしつつ、その上に「見やすい運用の窓口」を一枚重ねた、という位置づけです。
宿の仕事は、最後は人がやるもの。自動化はあくまで、人が人にしかできないことに集中するための土台だと考えています。
自動化しない線引きを決める
すべてを自動にする必要はありません。私たちは、定型的な連絡や、在庫・価格の反映は自動に任せる一方で、トラブル対応や、ゲストの事情に合わせた個別の判断は、必ず人が見て決めるようにしています。自動化は、この「人が向き合うべき場面」に時間を残すための手段だと考えています。
まとめ
日常運用の自動化は、「同期・メッセージ・料金」の3つのリズムに分けて、それぞれ無理のない間隔で動かすのが基本です。Beds24はその土台として十分に使えます。あとは、自分の宿に合わせて、どこを自動化し、どこを人の手に残すかを決めるだけです。
出典
- Beds24(公式トップ・機能概要): https://beds24.com/
- Beds24 チャネルマネージャー: https://beds24.com/channel-manager.html
- 本記事の運用手法は、私たち(pono)が沖縄の2施設をBeds24上で運用してきた実際の設定に基づきます(社外秘の数値・ゲスト情報は含みません)。